グッと身近に来る日本史

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映像で歴史を遺そう-『大学生のための動画制作入門』の使い方①

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もしも、西郷隆盛や坂本龍馬のインタビュー映像が遺っていたとしたら…

 

 新聞で、沖縄戦の語り部の方が高齢のために引退するという記事を読みました。

 

 終戦からはや70年余。こうした話が出てくるのも仕方がないと言えば、その通りです。

 

 人の命には等しく限りがある以上、戦争に限らず、歴史はどう語り継ぐかが大きな課題と言えます。

 

 歴史を調べていて、とくに有意義な史料に当たった際にいつも思うのは、よくこのようなものを遺してくれたものだという先人たちへの感謝の気持ちです。

 

 ちょっと機転を利かして遺してくれたメモ程度のものでも、後世に伝わる歴史観が変わってしまうといったことがあるように思います。

 

 伝わらない史実はなかったも同然。伝わってこその歴史です。歴史には語り継ぐんだという意志が必要なのです。

 

 歴史を語り継ぐには、後世にそれがどう使われるかは別にして、とりあえず記録して、しっかり保存していかねばなりません。

 

 私は地方に行くと、よく地元の図書館を訪ねて、郷土史のコーナーを見て回ります。地域によってもちろん差はありますが、地元の方々によるその土地の歴史を遺そうとする努力(冊子など)が見られます。

 

 こうした取り組みを見るに、本当にすばらしいことだなと思うのですが、ひとつ懸念があります。記録がほぼ文字情報に限られていることです。

 

 誰もが自分で撮影して、編集できるようになった現在、これからのことを考えれば、映像による記録があるべきだと思うのです。

 

 文字情報があればそれで十分じゃないかと思われるかもしれませんが、文字と映像では媒体特性が違います。

 

  インタビューを例に取れば、単に事実関係を論理的に伝えるだけなら、私は文字(記事)の方が優れていると思います。一方、その人が持っている情報をトータルに伝えるとなると、映像の方が適していると思っています。

 

 「その人が持っている情報をトータルに」とはどういうことかと言えば、話の内容(事実関係)に加えて、話をする際の表情、声の質やなまりなどの話し方、さらには背景(その人が普段、暮らしていたり、仕事をしている場の様子)といった情報です。映像では、これらの情報が一体的に流れていきます。

 

 もしも、西郷隆盛や坂本龍馬のインタビュー映像が遺っていたとしたら、と考えてみてください。

 

 たとえ、話の中身に新事実がなかったとしても、西郷さんや龍馬がどのような声やなまりで、どのような話し方をしていたのかを実際に見ることができれば、新たな歴史観が生まれることは間違いないでしょう。

 

 冒頭に述べた戦争の語り部のような方にも同じことが言えると思います。どのような抑揚をつけて、どういった表情で語るのかは、なかなか文字では言い表せません。

 

  と考えれば、歴史も映像で記録していくことを考えるべきでしょう。

 

 ただ、その制作ノウハウは一般の方にはまだあまり知られていません。そこで、一般の方向けに映像制作のノウハウをまとめた『大学生のための動画制作入門』を役立てて欲しいと思っています。

 

 とくに、これについては、大学と地域との連携が必要になると思います。次回はその連携のあり方について。